《MUMEI》

兼松は〆華の残り2枚の手札を推測した。



〆華が「菊のカス」か「紅葉」…あるいはその両方を握っているのは察しがついた。



『う〜む…』



兼松は左手に握った札のどちらを切るのか悩んだ。



二人の文差(点差)は8文…



"攻め"を選んで「青札」を切った場合、仮に〆華が「鹿」で「青札」を取り、返しの札で「萩」が現れると、「青タン+猪鹿蝶」で〆華の大逆点勝ちだ。



しかし数学的な確率論で考えれば、その可能性は極めて低い。



"守り"に入り「盃」を諦めた場合でも、最終巡までもつれれば、どのみち「紅葉の青札」を切らなければならない…。

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