《MUMEI》
騒がしい訪問客
それは、冬休み最終日の深夜の事だった。


(さて、寝るか)


忍への報告も、果穂さんの報告も


冬休みの宿題も、既に終えていた。


時刻は、いつもと同じ


日付が変わる直前だった。


ピンポーン


(…え?)


コンコン


(こんな時間に…誰)


ドンドン!


「祐也〜、今帰ったよ〜」


ガバッ!


俺は慌てて玄関に向かい


ガチャ


鍵を開けた。


「ただいま、祐也!」

「…今何時だと思ってんだ」

「だって最終で帰ってきたから。お土産あるから、怒んないで?」

「まさかその為だけにわざわざ来たんじゃないだろうな」


(もしそうなら、許さないぞ)


俺は、目の前でかつてないほどだらしなく笑っている


久しぶりに会った頼を睨んだ。


「一番に報告に来たんだよ?」

「果穂さんにはちゃんと言ってあるんだろうな?」

「もちろん、祐也の部屋に泊まるって言ってきた」


(俺の許可は無しか)


「…もういい。入れ」

「お邪魔しまーす」


(大学生がまだいなくて良かったな)


屋代さんはともかく、大学生は騒音にかなりうるさかった。

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