《MUMEI》

「っと‥、ぁー思い付かねーっ‥」

「アイディアが必要なら──出してあげようか?」

「ぃ‥いーっつの。つーか何げに覗こうとしてんじゃねぇ」

「ほぅ、なかなか鋭いな──」

「‥何かイラッとくんな‥その言い方‥」

「それは失礼。困っているようだったから何か手を貸してあげようかと思っただけなんだけどね──」

「‥ンだよそれ‥」

「言葉の通りだけど」

「ぁ"ーもォ気ぃ散るだろっ、ちったぁ黙って──」

窓から吹き込んできた風で──

彼女のノートのページが

数枚捲れた。

「!!‥」

余程見られたくないのか──

即座に

僕が見ていなかったか確認する珠季。

意外と‥

慎重派なんだな──。

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