《MUMEI》
年相応
「改めて、明けましておめでとう、祐也」

「…かなり過ぎたけどな。とりあえず、おめでとう。

…エイミーの事も」

「あれ? … あ、厳か」

「お前にシンクロして、えらい事になってたぞ」


今日果穂さんから送られてきた厳の画像を、俺は頼に見せてやった。


「…これは、恥ずかしいな」


そこには、前屈みになっている厳がうつっていて


『行き先はトイレ』


という文章が付いていた。


「双子は大変だな」

「片想い長かったからさ、…それに、またしばらく会えないし。
仕方ないじゃん」

「ギリギリまでお楽しみだったみたいだな」


俺は、頼の首筋を指差した。


そこには、キスマークがくっきり付いていた。


「お互い付け合ったんだ」

頼は照れながらも、かなり嬉しそうだった。


(こうしてると、年下っぽいな)


恋人の事を語る頼は、年相応の普通の高校生だった。


「で、報告は?」

「あ、忘れてた」

「…おいおい」

「これじゃ、厳みたいだな」


(まあな)


俺は、否定はしなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫