《MUMEI》
志穂さんとの会話報告
頼がまず語ったのは、志穂さんの推理だった。


何故、エイミーは嫌いじゃないと言いながら、やってきた頼から逃げたのか


それは


志穂さん曰く、『恋する乙女の複雑な心理』による行動だった。


『つまりね、恥ずかしかったのよ』


志穂さんはそう言って笑ったらしい。


そして、頼が首を傾げると


『久しぶりに会うなら、綺麗な時に会いたいでしょう?
頼君は、実際オシャレな格好だったし。
…エイミーちゃんの服装やメイク、覚えてる?』


そう、志穂さんに言われて


頼は、改めて思い出した。


父親が生きていた頃のエイミーは、毎日ヒラヒラしたオシャレな服装をして、髪型も凝っていたし


小さい頃からリップを塗ったりして、メイクにも興味があった。


しかし、再会したエイミーは


農家の手伝いをしているせいか


作業着姿で、髪も簡単に結んだ無造作ヘア


そして


すっぴんで、日焼けによるそばかすがあった。


頼はそんなエイミーでも会えた喜びが大きくて気にならなかったが


エイミーは


『エイミーは、恥ずかしかったの、かな?』

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