《MUMEI》
未来は明るい
「もうさ、お互い散々悩んだのが馬鹿みたいだったよ」


一気に喋り終えた頼は、自分で買っておいたミネラルウォーターを飲んだ。


(でも、志穂さんがいなかったら気付けなかったんだよな)


「祐也のおかげだ」

「へ!?」


(何で俺!?)


「祐也のその青い目が、エイミーを思い出させた。
忘れられない存在だと、自覚させた。

それに、志穂さんに相談するように言ったのも、祐也だ。



ありがとう」


頼は、真剣な表情で語ると、柔らかく微笑んだ。


「…そういうのは、彼女にしろ。俺はもう寝る。おやすみ」


柄にもなく照れた俺は、布団を被って顔を隠した。


「おやすみ。あ、祐也。俺達子供たくさん作るから、祐の後継げるように指導してくれよ」

「…」


(そんな先の話、知るか)


頼を見ると、ちゃっかり持参した寝袋に入っていた。


(結局、何もかも果穂さんの思い通りか)


そう思いながらも


夢見は、悪くなく


翌朝


目覚めはお互い爽やかだった。

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