《MUMEI》

昼休みになって

ようやく──

珠季はノートを鞄にしまった。

勿論

昼食はメロンパン。

ちなみに

僕は弁当だ。

流石に──

毎日菓子パンという訳にはいかないからね。

珠季は

囓り掛けのメロンパンを片手に持ったまま──

何やら

僕の弁当箱の中身をジッと見ている。

「あげようか」

「べ‥別にいらねーよ」

目を逸して

メロンパンを頬張る珠季。

「‥‥‥‥‥‥‥」

「どれがいいんだい?」

「ッ‥だからいらねーって‥」

あくまで

否定しようとする珠季。

けれど

メロンパンだけでは足りないのは明らかだ。

なのに

彼女は頑として譲らない。

‥仕方無いな──。

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