《MUMEI》

‥あたしは、

誰もいなくなった体育館のステージに、

先輩と2人で座ってた。





「──凄ぇな、お前──」

「‥ぇ」

「お前らしいよな、やっぱ──」

「‥んだよそれ‥」





藤澤センパイがどんな告り方したか知んないけど‥‥‥

あたしはあん時‥

必死だったんだ。





ここで言わなきゃ‥

たぶん‥

あたしは一生後悔すんじゃねーかって‥。





だから‥。





「芙原‥?」

「‥あたしっ‥ずっと‥センパイの事気になってて‥‥‥なのに全然言えなくて‥。どーすりゃいいのかも‥分かんなくなっちまって‥」

「──俺もなんだよな、それ‥」

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