《MUMEI》

「鳳君、そんなに落ち込まないで下さいよ。私、大丈夫ですから──」

「‥‥‥‥‥‥‥」





黙り込む鳳君。





何も、

答えてくれない。





「鳳君‥‥‥?」





落ち込まないで下さいってば‥。





私、

全然気にしてなんかないですし‥

それに──

ちょっと嬉しかったんですよ?





ううん──

かなり嬉しかったんです。





「ありがとうございました♪」

「‥は?」





鳳君が、

やっと顔を上げてくれた。





でもその顔には、

悲しそうな色が浮かんでた。

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