《MUMEI》
届けられた手紙
しばらくしてボクは無事退院し、結局遅れに遅れた勉強に追い付かせようと先生にだされたとんでもない量の宿題を空くんと海に手伝ってもらいながら、みんなとりあえず平穏な日々を過ごしていた。










「さて、一旦休憩しよ♪ちょっとだけ疲れちゃったし。」

「ふわぁぁぁ…やっとだぁ…あ、ボク飲み物持ってくるよ。なんか飲む?」

「お、さんきゅ。オレコーヒーで。」

「あたしもー♪」

「わかった。待ってて!」

今日は学校の創立記念日で休みだ。で、優しいことに3人ボクの部屋に集まってボクの宿題を手伝ってくれている。友達って素晴らしい…イヤホントに助かるよ2人とも。

しかしなんであんな真っ黒で苦い液体を好きで飲もうとすんのかなぁ…どっからどう見ても体に悪そうな飲み物ナンバーワンじゃないか。ブラックなんかボクには絶対飲めないな。ボクはカフェオレでもギリギリだからなぁ。

…ありゃ、コーヒーしかない。ボクどうしよう…

「母さーん、コーヒーじゃない飲み物って何かないのー?」

「蛇口ひねれば水出るわよー!」

…そんなもん知ってるわ。ちぇー…これだから体の70パーセントはコーヒーとタバコでできてます女は「何か言った!?」…油断したぁ…あうぅ。

結局諦め、ボクはアイスコーヒー2つと水を持って自分の部屋へ戻った。

「おう、おかえり。」

「陸、ありがと♪」

エヘヘ、またその海の笑顔がぁ…あでっ!?

「にやけんな、気持ちわりぃ。人がこれから大事な話をしようってのに。」

「大事な話?」

「おう、ほれ。」

そういって、空くんはボクになんだか豪華な封筒を渡してきた。あ、ボク宛になってる…。

「今陸が下に行ってた間に海には渡しといた。とりあえず話はそれを開けてからだ。」

謎の封筒…裏には差出人は書いてない。手でちぎろうとしたけど…ちぎれない。ハサミどこだっけな…

「陸がハサミ使うの?」

…あ、そっか。

「そう、その封筒はVerbじゃないと開かないんだ。」

えっ…どういうこと?訳がわからないまま、とりあえずボクは自分のVerbを使って海とボクの2人分の封筒を開けた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫