《MUMEI》

「ねぇ」

「ん‥?」

「あたしがここに来たの──5年前だったよね」

「‥ぁぁ」

「──何で日向、帰らないの?」

「ぇ」

「毎日来るし、夜もいるし‥」

「那加、独りじゃ眠れないだろ?」

「でも日向あんまり寝てないじゃない」

「寝てるって」

「朝、大抵寝坊しかかってるのに?」

「ぃゃ、それは那加のせいじゃ──」

「───────」

「どうした?」

「──やっぱり日向って天使みたい」

「ぇ」

「でしょ?」

「──俺は──」

「天使なの」

「天使──か」

「幼稚園のお遊戯でも天使だったじゃない」

「──ぇ、あれはたまたま‥」

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