《MUMEI》

「‥誰が恋人に爆竹渡すんだよ」

「ぇっ‥だって鳳君が『爆竹』って──」

「冗談に決まってんだろ。‥お前ってほんっとーに‥」

「〜〜〜っ‥意地悪しないで下さいよ──‥」

「‥覗いてみな、中」

「中?」





どれどれ‥?





「──ゎっ」





綺麗──。





「‥万華鏡。お前にやる」

「ぇ、いいんですか‥?」

「ガキの頃のヤツだし‥もう俺は使わねぇから」

「──どもです♪」

「‥ん、んん‥」





鳳君は照れたみたいで、

それを気付かれないように背中を向けた。




「‥あの星空、綺麗だったろ」

「ぁ──ハイ、すっごく綺麗でしたよねっ」

「‥それと‥似てねぇか」

「?」

「万華鏡の中と‥星空って‥似てねぇか」

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