《MUMEI》

人影はケインの方へ
静かに近付いた。


『よお!探したぜ』


『誰だ!』

肩を叩こうとした手
をケインに掴まれる。

『おいおい…呼んだ
のはお前さんだろ?』


『…サルタン!』


『なんか面白い事に
なってるな?相変わ
らず目立ちたがり屋
さんなんだな…

赤い悪魔さんは…』

そう言って賞金リス
トを見せた。

このサルタンと呼ば
れた男は、ケインの
仲間の1人だ。


『フッ…悪い…ちと
面倒に巻き込まれち
まってな。ま、詳し
い話は宿で…

と…ジェルマ?』


ほんの少し目を離し
た隙にジェルマの姿
は人混みに呑まれて
消えていた。


『しまった!!』


人の波が微かに見え
るジェルマの被る帽
子を押し流して行く
のが見えた。


『どけ!!』

人混みを掻き分けよ
うと、もがくケイン


『どうした?そんな
に慌てて、お前さん
らしくない…』

サルタンはこんなに
焦るケインを初めて
見た。


…原因はさっきの
お嬢ちゃんか?

ふむ…退屈せずに
済みそうだな(笑)

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