《MUMEI》 遂に 屋上に着いてしまった。 そろそろ 返してあげようか──。 楽しませてもらった事だし。 「‥?」 珠季‥ 何処へ行った‥? 「もらったぁ!」 「なッ‥!?」 一瞬だった。 珠季は 僕が気付かない内に シャープペンシルを奪還していたんだ。 「へっ、ザマーみろ♪」 「──フ‥、ぁぁ──降参だ」 この勝負 珠季の勝利──。 「ったく‥、とんだワンパク坊主だなオマエ‥」 「君には及ばないけれどね──」 「アタシは坊主じゃねぇっ、オトメだオトメっ」 「──随分とお転婆な乙女だな」 「っせーよっ」 前へ |次へ |
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