《MUMEI》

勢い良く教室に踏み込んだものだから‥

当然──

みんながこっちを見る訳で。

クラスメイトは唖然とし‥

先生は呆れ顔。

取り敢えず‥

2人で机に着く。

「‥‥‥‥‥‥‥」

教科書を開いて暫くすると‥

「‥なぁ」

突然

珠季が僕の肩をつついた。

「‥?」

「ぃゃ‥‥‥やっぱいーや」

授業中だから

躊躇しているんだろうか‥。

それとも──

単に言いにくいというだけなんだろうか。

いずれにせよ──

彼女が何か

秘密を隠しているのは明らかだ。

その秘密が明らかになるのは──

もう少し先の事になりそうだ。

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