《MUMEI》

「な‥‥‥何で布団取るのよっ」

「──ぃゃ、悪い‥何か俺──」

「?」

「那加が隠れると‥不安になるみたいで──」

「かくれんぼで勝てないから?」

「何か‥、那加が目に写ってないと不安なんだよな、俺──」

「そう、なの?」





コクッ、

と日向は頷いた。





「──だから──」

「分かった。隠れなければいいんでしょ?」

「ぃゃ、無理はしなくていい‥」

「たまにはあたしだって日向のお願い聞いてあげたいもん」





あたしの代わりに、

いっつも日向は我慢して。





時間も、

お金も、

あたしの為に使って。





だからせめて──

安心させてあげたい。





あたしに出来るのは、

そんな事位だから。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫