《MUMEI》

〆華は山札の頂に指をかけ、チラリと兼松を見やった。



生唾を飲む兼松…。



この時点で山札の枚数は11枚…。



まだ「萩」の合札は1枚も出ていない。



〆華の残り1枚の手札が「萩」であることは考え難い。



何故なら〆華が「萩」を持っていれば、合札の確定していた「鹿」よりも、先に「猪」を取っていた筈だからだ…。



だとすれば山札には2枚の「萩」が隠れていることになる…。



『確率は11分の2だ…。


当てるのか…!?


いや!…当たらない…!


当たる筈が無い…!!』



兼松は強く念じながら、〆華の白い指先を凝視した。

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