《MUMEI》

特に怪しいところもない普通の白い封筒。その封を切り、中身を見たボクと海は、とにかく…驚かざるを得なかった。封を開けたその封筒の中には…









「かぁわいいー!!」

「ず…ずいぶん派手な便箋だね…。」

ものすごくショッキングピンクに、なぜか白い羽でできたフリフリが周りにあしらわれ…おまけに全体がラメでキラキラ光ってる、ここまでくると痛々しいくらいに派手な便箋が一枚入っていた。

「すごーい♪これどこで売ってるんだろ?ねー陸!これ今度買ってきて!」

「無茶言わないでよ…てかかわいいの?これ…。」

「めっちゃかわいいじゃん!あたしすっごく気に入っちゃった!」

目をこれでもかというくらい大きく開き、眩しいくらいにギラギラさせながら海がボクの方を見てくる。気持ち悪いと思うのボクだけなのかな…。

「その趣味わりぃ便箋な「趣味悪いってどーゆーことよ!!」…その、か…かわいい便箋なんかどーでもい「どーでもいいって何よ!!」…そ、そのかわいらしい便箋のデザインはとりあえず置いといてだな、まず中身を「置いとくって何よ!!」…だぁー!!いちいち話のコシを折るんじゃねぇ!!」

あ、空くん切れた。

「何よ。文句あんの?」

うわ…海さん本気モード…空くん、とりあえず謝った方が「すいませんでした。」…口に出す前に謝った。空くん男のメンツ台無しだね♪

「陸、笑ってないで何とかしてくれよ…。」

「あ、うん。えーと…海、とりあえず読もっか。」

「うん♪」

…空くん、なんかゴメン…なんか一発でうまくいっちゃった。あぁ…そんなあからさまに落ち込まないで…うわ、地面に指でクルクルし始めたよ…。

「どーせオレなんてこの物語じゃやられ役だしよー…。」

「き、きっとそのうちいいことあるって!元気だして空くん!…空くん?」

…ダメだこりゃ。とりあえず一人にしとこうかな。

そしてやっとボクは、このミラクルファンシーな便箋の文面に目を通し始めた。

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