《MUMEI》

珠季は

本当に奢ってくれた。

「有り難う、恩に着るよ」

「別に礼言われる程の事じゃねーよ」

「僕はかなり助かったけどね」

「‥お前って‥いっつも小遣い幾らもらってんだ‥?」

「月に──2千弱位、かな」

「‥デートの時めちゃめちゃ金使ってなかったか‥?」

「貯めていたんだ。数ヶ月前からね」

「んな前からかよ‥!?」

「君に色々と買ってあげたかったし──せっかくのデートなんだから、その時位は贅沢したいだろう?」

「───────」

「まぁ、ただ君に喜んで貰いたかったというだけなんだけどね」

「なっ‥」

「どうかしたかい?」

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