《MUMEI》

「済まない‥ただ、気になっていたものだから」

「オマエなぁっ‥アタシが何したってんだよ‥」

「何も‥‥‥」

「はーっ‥キカンシに入ったかと思ったし‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

まずい事をしてしまったな‥。

まさか

そんなに驚かれるとは思わなくて‥。

ただ

気を引きたかっただけなんだ。

そう‥

ただそれだけ‥。

なのにどうして──

いつも空回りばかりしてしまうんだろう‥?

「何ヘコんでんだ‥? オマエ」

「その‥‥‥済まないな、と」

「別にアタシは気にしてねーけど」

「‥?」

「ま、いんじゃねーの、こーゆーカレカノも」

「──そうだね」

何だか──

ホッとした。

「ん──もう飲み終わったのかい?」

「オマエが遅いだけじゃねーの?」

「君は早過ぎるんじゃないのかい?」

「っせーな、どーせアタシはせっかちですよ」

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