《MUMEI》

距離は離れてたものの、
敵の車を止まらせた

ゆっくり近づいて来た2台の車が、停止したんだ

スピードローダーで
6発の弾を込めた兼城

依然、俺達の不利は変わらない…

雅人「…敵さん…動かない な…」

兼城「…走ります…着いて 来て下さい!」

兼城が、何かを感じ取ったんだ!

実戦経験有る、兼城に従うのが正しい選択だろう

兼城が発光弾を投げた!

辺り一面が、真昼より明るくなる…

その光を背に、俺達は全力で走った

橋の上から、ワイヤーで降下してくる奴が見えた!

雅人「!」

その敵に乱射した

兼城「構わず走って!」

兼城の声がした

藪を走り抜け、コンボイが列ぶ、モータープールに逃げ込んだ

息が切れる…

極度の緊張感の中では、普段より、体力を消耗するんだ

兼城「ナイトビジョンを付 けてました…何人かは、 目が死んだでしょう…」

雅人「敵の数が多い、どう したらいい?」

兼城「…逃げるしか…ない ですね…」

雅人「…」

兼城「あの、建物まで、走 ります、…行けますか? 」

雅人「行くしか、ないでし ょ」

にこりと笑顔を見せて、
俺達は走り出した

コンボイの間を抜い、建物に近づいて行った

…約300メーター…

何も、遮る物がない空間が…

兼城「一気に行きます!」
走り出した俺達に、銃弾が…

足元に、火花が散った

当たらない、当たらない…
心の中で叫びながら、
無酸素運動の限界に挑戦するように……

ひたすら、走った…


建物の陰に飛び込んだ!

雅人「ぷはぁー」
「ぜぇー、ぜぇー、ぜぇ ー」

兼城「…行きますよ…」

俺は、完全に、足手まといになってた…

兼城は、多少呼吸が早いが…俺みたいに…なってない
話すゆとりも無く、うなづき、建物の中へ…

鍵は、マグナム一発で吹き飛んだ

兼城は、倉庫棟には行かず、事務所棟の奥へ…

倉庫の方が、身を隠す場所が多いのに…

不思議そうな俺の顔を見て
兼城「敵の数が多いときは 、通路や、廊下なら、数 の不利が小さくなります 」
「応援が、来るまでなら …その方が、時間を稼げ ます…」

なるほどね…

俺一人なら…ここで、死んでたな…


窓からヘリが見えた

ポリスの青いライトも沢山見えた

助かる…そう、確信した

兼城「……敵が来ましたよ …」

雅人「…」

俺には、その気配すら、感じ取れなかった…

心臓の鼓動がうるさい

気配を殺したいのに…

……

ダダダダン!

鉄製の扉が!

鍵や、ドアノブが消し飛び、ドアがゆっくりと、勝手に開いた…

マシンガンだ!…

勝てない…

ダメだ、諦めちゃ!

考えろ!考えろ!

今、自分に出来る事を…

俺が、敵なら…

ドアに注意を向け、窓だ!
窓を見た瞬間、窓ガラスが割れ、敵が!

わかってるなら、反応出来る!

窓に向け、ベレッタを撃った!

二人!

一瞬遅れて、ドアから敵が来たのがわかったが、兼城に任せた

…そんなに処理できる、スキルはない

ダメなら、死ぬだけ…

室内で銃撃戦になった

窓から侵入した二人は、射殺出来たはず…

タンッ!

足元に、銃弾が!

月明かりの中…
兼城が床に倒れてる姿が見えた

パイソンを、握ったまま…
その横に黒いバトルスーツの奴が立って居た

……万事休すか…

俺は、ゆっくりと立ち上がった

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