《MUMEI》 「‥!?」 授業後 僕がその事を伝えると── 珠季はようやく気付いたらしかった。 視線こそ教科書を見ていたものの── 意識は まるで違う所に行ってしまっていたらしい。 「君にもあるんだな──少なからず天然な所が」 「っせー。つーか‥オマエがいきなり‥」 「僕は本当の事を言ったまでだ」 「‥だ・か・ら‥」 「さぁ、早く着替えてグラウンドに行かないと──」 「コ‥‥‥コラッ、待ちやがれっ」 「君も早く着替えた方がいいよ」 「‥分かってマスよ静瑠サマ‥」 珠季は不満げに でも 少し照れたように言った。 前へ |次へ |
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