《MUMEI》

「持久走!?」

珠季が

声をうわずらせた。

「何だよめんどくせー‥」

「体力作りにはいいと思うよ」

「てめーが言うセリフかよ‥」

「じゃ、お先に」

「なッ‥おい待てよっ」

すかさず

珠季が追いかけて来る。

僕は

追いつかれないように

スピードを上げた。

けれど

珠季も負けじと付いて来る。

これは

またいい勝負になりそうだ──。

「?」

珠季──

ペースが落ちてきたか‥?

いや‥

違う──。

「!?」

なッ‥。

「へっへーん、出来るもんなら越してみやがれ♪」

「何っ‥!?」

珠季に‥

越された‥?

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