《MUMEI》

「はい、後は日向の分」

「ぇ、まだだいぶ残って──」

「もうお腹いっぱいなの。だから後は日向にあげる」

「分かった──ありがとう」





日向は紙パックを受け取って、

ストローをくわえる。





「ん‥、どうかしたか?」

「──別に──‥」





それより明後日──

ちゃんと渡せるのかな。





ちゃんと、

言えるのかな。





誕生日おめでとう>氛氈B





「──ぇ、何よ‥」

「ぁ‥‥‥悪い」





日向は、

慌ててあたしから目を逸した。





──照れたみたいに。

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