《MUMEI》

「一応、ベッドで休めば少しは回復すると思うわ──。熱自体はそんなに高くはないし──微熱が走って上がっちゃったのね、きっと」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「もう戻っても大丈夫よ、綾瀬君」

「ぃぇ──」

「?」

「少し──いさせて下さい。彼女の側に──」

「ええ、でも──響くんじゃない?」

「彼女の方が──大事ですから」

「──ふふっ、そう──ならお好きにどうぞ。外しましょうか?」

「ぇっ、ぃぇ‥」

「あ、そういえば私ポスターの印刷に行って来ないとなんだったわ──」

「先生‥?」

あの‥

何を考えてるんですか‥?

「少ししたら戻るわ。霖堂さんの事宜しくね」

「先生っ!?」

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