《MUMEI》

『霖堂‥?』

『ぇ‥』

「おい、霖堂」

僕が彼女の両肩に手を置いて

やっと珠季は我に返った。

『────っはッ‥ごほッ‥ごほッごほッ‥』

『何をしてるんだ君は‥。次の勝負は息止めか‥?』

『ッ──‥ちげーよっ。だとしても今アタシが息止める必要ねーだろ‥!?』

『なら何故息なんか──』

『知るかよっ‥』

『いずれにせよ、君が此処にいる理由を訊くのが先だな』

『‥?』

『今は授業時間だろう。何故君が此処にいるんだ、霖堂』

『‥‥‥見舞いに来たんだよ』

『見舞い‥?』

そう──

彼女は

僕を見舞いに来てくれたんだ。

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