《MUMEI》

雅人「こんな街中に宿取っ て…間抜けだな…軍も… 」

ティファ「……」

雅人「何日居る事になる? 」

ティファ「…揉めてるわ… 」「アメリカも面子があ るから、日本まで送ると 言ってるけど…」
「迎えの飛行機が来るそ うよ…」

「明日の午後にはね…」

雅人「軍の空港にかい?」
ティファ「…調整中よ…」
雅人「夜だな…敵が来るな ら…」

ティファ「…」

雅人「長い夜になるな…」

夕食が運ばれて来た

贅沢な料理だった

ティファ「食べないの?」
雅人「…俺はいいよ…」

ティファ「厨房にも軍が居 るわ…安心して、食べな さい」

雅人「やっぱ軍人だね…貴 女は…」

ティファ「…ガキは大人の 言うことを、聞けばいい のよ…」

雅人「大人?…身体だけだ ろ、大人は…」

ティファが思いっきり、不機嫌な顔をした

俺は席を立ち、寝室に入った

話をするのもめんどくさい…


深夜2時過ぎ…

異変に気づいた

出入口に簡易センサーを付けてあったんだ

ティファの入浴中に…

LEDが侵入者を知らせた

セキュリティーを解除して、誰かが侵入したんだ…

護衛がエレベーターホールと入口の外に、何人か居るはずだが…
…裏切ったか…消されたか…

ベレッタの安全装置を外した

間違いなく、何人か居る…
微かな物音が聞こえた

ドアノブがゆっくりと回り出した

俺は入口の真横に身を潜めた

扉が勢い良く開き

銃を持った男が二人部屋に飛び込んで来た

俺が寝てるはずの、ベットに銃弾が浴びせられた!

俺はベレッタのトリガーを引いた

タタタン、タタタン!

二人が吹っ飛んだ

部屋の外が騒がしくなり
照明が点った…

俺は部屋から飛び出て
動く物、全てに乱射した

二人居た!

撃ち合いになった!

左腕に衝撃を感じたが
動きを止める訳にはいかない

有りったけの弾をぶち込み
マガジンを替えた

残弾、あと20発

違う部屋で男の悲鳴が聞こえた

扉が開いた

雅人「!」
「ティファ…」

危うく撃つ所だった

ティファ「雅人が正解だっ たわね…」
「ここは、危険ね…」

部屋の中に二人の男が倒れてた…
下半身、裸で…

ティファの服も、酷い…

ティファ「行くわよ」

ティファは着替えもせず
バックパック一つだけ持って、廊下を確認した

俺もバックを背負い後につづいた

警備が倒れてた…

ティファが屋上に向かった

ティファ「早く、こっちよ 」

給水装置の脇にある、でっかい箱を開け、何かを組み立ててる

ハングライダーだった…

灰色の…

ティファ「飛ぶわよ」

真夜中の空に、タンデムでダイブ…

27階の、ホテルの屋上から飛び立った

恐怖が全身を襲った

落ちて行く…

浮力を得て、高度を保つようになった時は、半分ぐらい落ちてからだった…

ティファは山の方に飛び、
空き地に着陸?…
いや…ほぼ墜落かな…

ティファ「もたもたしない で、こっちよ」

雅人「生きてるよな…俺… 」

ティファに続いて走った

車があった

ティファが準備したのか?
小1時間ぐらい走って
民家のガレージに車が入った

ティファ「中へ入って…」
辺りを見渡しながら、シャッターを閉めた

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