《MUMEI》 「床のペンキ、少し残っちゃいました。」 「いいのに、俺やるよ。」 先生は俺から雑巾を引ったくる。 「結構、落としましたよ。この、ペンキの容器は何ゴミですか?」 「置いといていいよ……あ、ごめんな。」 手が触れたので先生は指を引っ込めた。 「そうですか?」 潔癖な人なのかな。 「その……遊びだったのかな?キャンプ行ったときの映像も入れといたから。」 キャンプ行ったっけ? 「ありがとうございます。」 「あ、あのさ、きのし……いたーーーーーーーー!」 先生が雑巾で足を滑らせて頭をぶつけた。 「先生!」 痛そうだ。 「あ。」 先生はのったりとした口調で起き上がる。 「ち、血!」 額から血が流れている。 前へ |次へ |
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