《MUMEI》

「君が呼んだから」

「はッ!?」

「君が僕を呼んだんだ。だから手を握ったまでだよ」

「な‥何で手なんか‥っ、つーかずっと握ってたのかよ‥!?」

「ぁぁ、というか君が放さなかったんだ。覚えていないのかい? 」

「アタシ寝てたんだろ!? 分かるかよっ」

「そうだね──‥まぁ、取り敢えず意識が戻って安心したよ。ずっとこのままだったらどうしようかと思ったけどね‥。ひと先ず──、!?」

「話が長ぇッ」

「す‥済まない‥」

「──‥つーか‥何でオマエ‥」

「だからお見舞いだと言っただろう?」

「体育‥‥‥途中だったんだろ」

「後少しで終わりそうな感じだったから大丈夫だよ」

「‥どーせ、すぐ戻りますとか言って‥結局戻れねーでいたんだろ」

「ぅ‥」

見透かされている‥?

「‥なぁ」

「な‥何だ‥?」

「あんがとな」

「ぇ、ぁ‥‥‥」

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