《MUMEI》
我が儘がいい
「ほい、お待ちっ!」
修二はテーブルに料理を並べながら加奈子を呼んだ。
「うわぁ!!」
サラダにパスタ、真ん中には鍋がある。どうやら煮込み料理らしい。
「おいしそ〜!凄いね、シュウちゃん!!」
「おうよ!俺の十八番のイタリアンだぜ?旨いに決まってんじゃん!」
エッヘンと胸を張る修二の顔が何だか照れ臭そうだ。
分かってるけど再確認。
やっぱりシュウちゃん、かっこいい…。
かっこいいけど…
「またボーっとしてる!」
「え?あ、ごめん!」
加奈子は気にかかる事が一つあった。もちろん、夕べの記憶がないのも気になるが、それ以前からの事だ。
「何、惚れ直した?」
「アハッ!バレた?」
取り敢えず今はごまかしておこう…
「フフ…加奈子可愛い。」
修二は優しく笑いかけると、加奈子を抱きしめた。
「シュウちゃん…」
「俺、今スッゲーHな気分。」「ご飯、冷めちゃ…ンン‥」
言い終わらない内に口を塞がれた。
「いいじゃん…。」
修二の熱い息が加奈子の耳にかかる。
連鎖反応で加奈子も興奮してしまう。
「ん…」
加奈子が頷くと、修二はその場に押し倒した。
「ベッドでしたい…」
フローリングは固くて背中が痛くなるから嫌いだった。
「我慢できねぇよ…」
「もう…」
いつもだ。修二はいつも我が儘で、自分勝手。
でも甘い顔で言われたら、いつも許してしまう。
「好きだよ、加奈子…」
「シュ‥ちゃ…アッ‥ハッ…」
結局自分も性欲には勝てないんだ。だからいつも成される儘に喘ぐ。
コレが最高に気持ち良かったりするんだけど…。
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫