《MUMEI》

10時頃になって、

佳代子さんがあたしの様子を見に来てくれた。





「にしても凄いわね──那加ちゃん」

「ぇ」

「日向君喜んでたわよ? 那加ちゃんにもらった御守、早速鞄に付けてた」

「カバンに‥?」

「ええ」

「そっか──」





‥でも。





日向の誕生日なのに──

あたしは御守あげただけ。





ケーキを用意してくれるのは、

佳代子さんだし‥。





「那加ちゃん」

「ぇ‥?」

「提案なんだけど──」

「提案‥?」





何の提案‥?





「あのね──」

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