《MUMEI》

さっきまでの言い合いが嘘のように──

僕達はすっかり静かになって

2人でコーヒー牛乳を飲んでいた。

「なぁ‥先公どこ行ったんだ?」

「さぁ──‥何か用事があるようだったけど」

「‥用事‥?」

「たぶん、計ってくれたんだと思うけどね」

「計うって──何をだよ」

「僕らが気兼ねしなくて済むように、と──」

「なッ‥‥‥」

「良かっただろう?」

「どこがだよっ!?」

「こうして2人きりになれたんだから──」

「ァ‥‥‥アタシは迷惑だっつのっ‥」

「そうかい? 残念だな──」

「残念じゃねーし」

「君は強がりな所が玉に傷だな──」

「珠季とかけてんのか‥?」

「何故だい?」

「『たま』に『き』ずって」

「フ‥、なかなか面白い冗談だな」

「なッ‥‥‥そこ笑うとこじゃねーだろっ」

「面白いから笑っただけじゃないか」

「〜〜〜〜〜っ‥」

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