《MUMEI》

「いやぁ、懐かしい。
15年ぶりかな?」

「はい。」

「じゃあ、もう二十歳か。道理で大きくなったはずだ!
昔はこ〜んなに、おチビちゃんだったのに。」


園長先生はしゃがみ込みながら、いたずらっ子の様に笑う。


変わってないな、と僕は思った。

昔から、まるで子供みたいな人だった。


「ハハッ。園長先生も元気そうで何よりです。」


「ほほっ。子供達が毎日元気をくれるからのぉ。
まぁ立ち話もなんじゃし、さ、順平君中に入りなさい。」


園長先生に促されて、僕は懐かしの第二の我が家へ入って行った。


案内されたのは、園長室。
ここに入るのは初めてだ。

「さぁ、そこに座って。」

部屋の中央に、茶色い二人掛けのソファが2つ

テーブルを挟む様にしておいてある。


僕が座ると、園長先生は温かいココアを出してくれた。


「君の大好物だったろう?」


そう言って園長先生は、にっこり笑いながら、僕と向かい合わせのソファに座った。

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