《MUMEI》

兼松は8ヶ月前、詐欺事件の際に藤城に会っていた。



だが今の兼松の顔は、当時とは異なる。



兼松は、道風会の金を持ち逃げした実松が、目の前に居る頭の禿げた男と同一人物である確証を持っていない筈だと、とっさに思った。



『さ…実松?…誰の事ですか!?…私は"兼松"ですよ!?』



兼松は不自然に声色を変え、必死に隠し通そうとした。



しかし藤城は、そんな兼松の浅儚な魂胆も、初めから見抜いていた。



『オイ…連れて来い…。』



藤城は低い声で子分に命じた…。

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