《MUMEI》 朝、目覚めると先生は居ない。 先生はいつも通り、日課の散歩に出ている筈だ。 ぼくは朝食を作る。 先生が帰ってくると茶碗に御飯をよそい、器に薬を入れて、赤味噌を溶かす。 安定剤だ。 夜迄効く薬で、買い物するついでに貰いに行く。 けれど、其の日の朝は薬を入れなかった。 先生が四度目の自殺を図ったからだ。 睡眠薬を大量に飲み、先生は其の後、艶子さんと二度と交代しなくなり、峯さんは心中相手として艶子さんに連れて行かれた。 前へ |次へ |
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