《MUMEI》

決して

楽しかったとは言えないけれど‥

小学校

中学校と──

それなりにやって来た。

中学3年の夏──

僕は

ある高校に進学を決めた。

それが

今僕らが通っている栄花高校。

もう

来年には卒業してしまうんだけどね──‥。

それは扨置き‥。

ずっと独りでいた僕は

まさか

高校で出合いというものが待っているなんて──

微塵も思っていなかった。

むしろ

誰とも関わらないようにしよう──

そんな事を思っていた位だ。

けれど

そうはいかなかった。

僕は

出合ってしまったんだ。

霖堂珠季──

僕の人生を変える少女に。

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