《MUMEI》

「‥てめぇも遅刻だぞ、蜜」

「分かってるよ? でも蘭に行ってらっしゃいのキスしてもらわなきゃだから」

「は!?」





アイツは俺の女だぞ‥。





「つーか‥お前中2にもなってまだ部屋にヌイグルミとか飾ってんのな」

「うるさいなぁ──兄さんが蘭の事取るからじゃないか──」

「お前‥いつの間にそんなに生意気になったんだ‥?」

「生意気じゃないよ? もうすぐ兄さん越すんだから」

「‥‥‥‥‥‥‥」





‥中学に入ってからだと思う。





コイツ‥

あんなにチビだったのに急に背ぇ伸びだして‥

今じゃ俺の事越しそうだ。





ま‥

中身はどうだか知んねぇけどな。





「──きゃああ!?」

「‥‥‥‥‥‥‥」





蘭のヤツ‥‥‥

また何かやりやがったな‥。

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