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《MUMEI》 『──那加っ』 『‥‥‥ひなた‥？』 顔を上げたら、 日向が、 息切れしながら‥ あたしをジッと見つめてた。 それから、 あたしを抱き締めて‥ こう囁いた。 『──お迎えに上がりました、姫サマ』 その台詞を聞いた途端、 あたしは物凄く安心して。 『‥‥‥‥‥‥‥』 『姫サマ‥？』 『‥ひなたぁ‥』 日向にしがみついて、 泣きじゃくった。 寂しかったからじゃない。 嬉しくて泣いたの。 日向が、 日向が、 捜しに来てくれた。 抱き締めてくれた。 それが、 嬉しくて仕方なかった。 前へ |次へ |
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