《MUMEI》

少し早めに学校に着いた僕らは

廊下で麻木と合流した。

「ぁっ、珠季達もう来てたんだ──」

「まーな」

「麻木は何か仕事があったのか?」

「うん──ちょっとね。ぁ、そだ──」

「?」

「昨日はありがと、珠季の事送ってくれて──」

「ぃゃ‥彼氏として当然の事をしたまでだよ」

「‥オマエ、何かさっきと言い分違ってねーか‥? しかも何だよ、『彼氏として』とかとってつけたような言い方して──」

「そんなつもりはないんだけどな」

「なくてもアタシにはそう聞こえんだよ。‥ってオイ──どこ行くんだ‥?」

「──せっかくだから屋上にでも行こうかと思ってね」

「は‥?」

「君も行くかい?」

「ぃ‥行く訳ねーだろ」

「──じゃあ、30分後に教室でね」

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