《MUMEI》

代わりに地獄に落ちる事になった兼松の表情は、ビクビクと引き攣った。



(…手前…大枚を払ってやったのに…。)



兼松は心の中で男鹿を罵った。



金で人の心は縛れない…。自らの生き様でそれを証明してきた兼松を裏切ったのは、金で雇った人間だった。




藤城の後ろに立ち、入口の襖の影から殺意の籠った目で兼松の狼狽ぶりを見つめる桜庭がいた…。

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