《MUMEI》

僕は今──

屋上に来ている。

珠季は教室で

麻木と話でもしているんだろうか──。

「へー、結構いい天気なのな」

「ん‥‥‥、珠季?」

教室にいたんじゃなかったのか‥?

「何ビックリしてんだ? お前」

「き‥君が驚かせたんじゃないか‥」

「アタシはただ話しかけただけじゃんか」

「──‥分かった、もうこの話は止めにしよう──」

切りがないしね──。

「お前さ──」

「ん‥?」

「アタシのノート見たがってたろ」

「ぁぁ──」

「‥見せて‥やんねーでもねーけど」

「それは──本当かい?」

「疑ってんのかよ‥」

「ぃゃ、ただ──あんなにも見せたがらなかった物をいきなり見せてくれると言われて少し驚いただけだよ」

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