《MUMEI》

「全部読んだら返せよな」

「ぁぁ──」

なかなか面白いな

この話は──。

「‥‥‥笑うなっつったろ」

「笑ってはいないよ、感心しているんだ」

「笑ってんじゃねーかよ思いっ切り‥」

「笑っていないと言っただろう?」

「声が笑ってら」

「気のせいだよ」

「ッ‥‥‥」

「?」

「ぁーもォ付き合ってらんねーっ」

「何処へ行くんだい?」

「戻んだよ、教室

「───────」

また怒らせたか‥?

「珠──‥」

「秘密だかんな」

「?」

「それ、アタシとオマエだけの秘密だかんな」

「──ぁ、ぁぁ‥」

秘密か──

悪く無いな。

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