《MUMEI》

「──それでは姫サマ──」

「ぇ」

「参りましょうか」

「ぇ──ちょっとっ‥」





お姫様抱っこされた‥。





「日向っ、下ろしてよちょっと‥」

「ご無理をされては大変ですから」

「‥‥‥‥‥‥‥」





日向、

気付いてたんだ。





あたしが、

お腹痛いって事。





最近は良くなってきてるけど‥

今‥

ちょっとチクチクしてる。





日向が見つかって、

嬉しいはずなのに。





「──ひなた」

「?」

「ケーキ‥あるから」





呟いたあたしに、

日向は笑いかけてきた。





「──ありがとう」

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