《MUMEI》

にしても‥

どれだけ長いんだこの話は‥。

ノート丸々1冊に

細かな文字で

ビッシリと物語が綴られている。

「ふぅ‥」

なかなか疲れるな‥

読むのも‥。

というか珠季──

本当に教室に戻って行ってしまったようだけど‥

僕は

此処にいていいんだろうか‥?

「おっ──綾瀬やんっ」

「宮上‥」

「さっき霖堂とすれ違ったで? 何か‥あったん?」

「ぃゃ、いつもの事さ」

「ん──それ何や?」

「ぇ、ぁ‥これは‥」

『秘密だかんな』

『ぇ?』

『それ、アタシとオマエの秘密だかんな』

一応‥

彼女と約束をしてしまった訳だし‥。

──ここは‥。

「ぃ‥いけないっ、そろそろ教室に戻らないと──。じゃあ‥またっ」

「おい──綾瀬?」

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