《MUMEI》
樹はすぐ病院で診てもらい、簡単な処置の後澪の運転する車で帰る。
左肩が脱臼寸前で同じ左てに軽いヒビが入りかけていた。
奇跡的に痣や打撲ばかりで靭帯を切ったなどの怪我ではなかった。
「母さんごめん」
「彼女無事だったの?」
「―――――――――うん」
「紳士としては評価しよう
しかし気をつけたまえ。
静流が、錯乱する。」
「………同感です」
澪は女手一つで樹と静流を育て上げただけあって一般の母親より多少寛容なところがある。
放任主義とも言う。
樹は深く突っ込んでこないことに安堵する。
「私これからまた仕事場戻るから。
明日は先生に連絡して、学校休んで。
丈夫に育ってくれて良かった。また入院だったらご飯とたくあん生活ですよ。」
「耳に痛いです」
明日は鞭打ちであるに違いないと関節の張り具合で確信した。
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