《MUMEI》

『おい…立てや!ジジイ!』



その時、一番近くに居た若い組員が兼松の胸ぐらを掴みにかかる。



『ひぃッ!! 』



兼松は1枚残った手札を落とし、情けない悲鳴を上げて畳の上で後ずさりした。



捕まれば海に沈むか山に埋まる。



見苦しい亡者の形相が、若い組員を見上げていた。





その時…。

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