《MUMEI》

──病室に、

戻って来た。





あたしは大丈夫って言ったけど‥

日向は暫く、

あたしのお腹が落ち着くまで待っててくれた。





「もう大丈夫なのか?」

「当たり前じゃない、そんなに痛かった訳じゃないもん」





──強がってる。





日向の前では特に。





「‥ぁ」





そうだ‥。





「──ケーキ、食べる?」

「ぁ、ぁぁ──」

「ちょっと待ってね」





あたしはサイドテーブルを引っ張って来て、

冷蔵庫に隠しておいたケーキを置いた。





17本のロウソクを立てた、

バースデーケーキ。





チョコプレートには、





【HAPPY BIRTHDAY】





そう書かれてある。

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