《MUMEI》

「もし俺が天使なら──」

「?」

「那加の事、ちゃんと守ってやれたのにな──」

「日向?」

「──俺って──」

「天使だってば」

「那加は姫サマだけど──」

「何でそんなに落ち込んでるのよ」

「俺──‥、!?」

「‥いい加減にしてよね」

「那加‥?」

「いい? ひなたはあたしの‥幼なじみで、恋人で‥召使で‥‥‥天使なんだから」

「───────」

「違うとか‥思わないでよ」





日向は、

あたしの天使なんだから。





「‥違うとか思わないで。──命令──何でも聞いてくれるんでしょ」

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