《MUMEI》

「──クリームメロンパンって珍しーな」

「僕もいつもは高いから買わないんだけどね」

「? 何で今日は買ったんだよ」

「何となく、かな──」

「オマエだってアタシと同じ事言ってんじゃんか」

「そうだね──確かに」

「──‥オマエなぁ‥」

「そういえば──」

「ぁ‥?」

「君は将来──何になりたいんだい‥?」

「何だよいきなり──」

「訊きたくなったから」

「アタシは‥まだ決まってねぇ」

「いいのかい? 面談までに決めておかないと苦労するよ」

「わあってっけど‥」

「僕は──司書になりたいんだ」

「司書‥? 司書って‥‥‥図書館にいるヤツか‥?」

「ぁぁ──」

「それなら1日中本読んでいられっからか?」

「それもある。けど──町の人達にもっと本の楽しさを知ってもらいたいと思ってね」

「ん‥‥‥確かに‥あんまり人いねーもんな──あそこの図書館」

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