《MUMEI》

「命令‥か?」

「──うん。命令=v

「──分かった」





日向が、

笑った。





「那加の命令なら、聞かない訳にいかないもんな」

「‥忘れないでよね」

「ぁぁ」

「忘れたら‥枕投げるから」

「ハイ、姫サマ」





ハッキリした声で、

日向は答えた。





さっきまでヘコんでたのが、

嘘みたいに。





「姫サマ」

「‥もういいってば姫サマ≠ヘ‥」

「───────」

「‥分かった、今日だけ特別」

「ぇ?」

「今日だけ≠セからね?」





今日は、

日向の誕生日だから。





だから──

特別に呼ばせてあげる。

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